2009年度期成会代表幹事就任のごあいさつ

               2009年4月

代表幹事 並 木 政 一(31期)

 

 私は、期成会の結成20周年に弁護士登録し、そのまま期成会に入会しました。

ちょうど、弁護人抜き裁判特例法案(弁護人が在廷しなくても裁判ができる)に反対する弁護士会の運動が盛り上がり、弁護士会が法務省と裁判所に厳しく対立していたときです。私自身も4名の友人とともに裁判官の採用を拒否されるなど、司法反動(以前このような四字熟語があった)が頂点に達していた時代でした。

私は、官僚的司法と戦う在野精神に溢れた弁護士会の運動に感銘を受け、弁護士の第一歩を印すことになりました。以来、期成会会員として、いまでは驚かれるかもしれませんが、3年目で事務局長、その後も2回担当し、若くして他の会派にも名前を知られるようになりました。このように早くから東弁の会務の中心部分に係わるようになったことから、自分では「耳年増」と自嘲せざるを得ませんでしたが、期成会のプリンスとか、東弁のホープなどとおだてられ、そのまま大した成長もせずに今日に至っています。

さて、本年は期成会結成50周年の大きな節目にあたります。

そこで、あらためて期成会が成し遂げた弁護士会改革の歴史を振り返るとともに、いま弁護士を取り巻く社会経済情勢の変化、弁護士会に期待されている役割を見据え、よりよい弁護士会作りに貢献していきたいと決意しています。

時代は変わりました。

私が登録したころの東弁は、人事、会務運営、選挙などで法友会、親和会と厳しく対立していましたが、今ではこのような対立はなくなりました。司法の面でも、例えば、私と同じ事務所の17期の堀野紀会員は、かつて再任・新任拒否など司法の反動化と戦う運動の渦中の中心にいた人ですが、いま最高裁の下級審裁判官任命諮問委員会の委員です。また、私の師匠である20期の宮川光治元会員は、いま最高裁の裁判官に就任しています。

何がどう変わったのか、正直なところ分からないところもありますが、時代状況は変わっても、在野法曹として、司法のあり方を注視し続ける活動の大切さは変わらないでしょうし、弁護士会の組織と運営を自覚的にみていく弁護士のグループの存在は、常に求められていると思います。その意味で、期成会の原点にかかわる活動に終わりはないはずです。

今後とも会員の皆様のご協力をお願いいたします。