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代表幹事挨拶


2016年4月

東京弁護士会期成会

2016年度代表幹事 千 葉  肇

 昨年,安倍政権は,憲法に反する安全保障関連法制を成立させ,更に,今年に至っては明文改憲に突き進もうとしています。これは平和主義・基本的人権擁護・民主主義を基調とする憲法の理念を根本から否定しようとするもので,決して許してはならないことです。今,私たちの憲法は,戦後最大ともいうべき危機を迎えているのであり,私たちは,明文改憲阻止とともに安全保障関連法制廃止を目指して全力を尽くす所存です。
 加えて,私たちは,基本的人権擁護,民事・刑事司法改革,法曹養成・法曹人口,弁護士自治,弁護士の活動領域拡大等さまざまな課題を抱えています。これらの課題については,多様な意見があるとともに,私たちの目指すものが直ちに実現できるものではありません。期成会は,これらの諸課題についての政策検討をより進め,東京弁護士会をリードする政策を確立し,その実現に向け進めて行きたいと考えています。
  そのためにも,従前にも増して,会員間の意見交流を深め,姿の見える期成会活動を推し進め,多くの会員の活動参加を進めていきたいと思っています。
 今後,1年間,期成会の代表として精一杯やっていきたいと考えていますので,宜しくお願い致します。


期成会のご紹介


 期成会は、1959年(昭和34年)11月に産声を上げました。

 それまでの東京弁護士会は、2大会派が非民主的な選挙抗争を繰り広げたり、各種委員や破産管財人の人事を壟断したりしていて、新たに発足した司法研修所で修習し、弁護士法第1条の理念を実現しようという気概に燃えた若い弁護士たちにとっては、改革の対象と映っていました。期成会という名称にも、「修習何期」というように呼ばれた司法研修所修了者たちによる会という意味が込められています。

 今でこそそのような実感を抱くことはまずなくなりましたが、ここに至るまでには、40年余りの永きにわたって、期成会に集う会員たちが弁護士会の民主化のために脈々と活動を続けてきたのです。

 今でこそ当然のように行われている日弁連の会長選挙も、古くは代議員による間接選挙でした。期成会の呼びかけに呼応した全国の弁護士が、これを現在の直接選挙の形に改革したのです。

 それでは、弁護士会の民主化がほぼ達成された今日、期成会の存在意義はどこにあるのでしょうか。

 私たちの多くは、弁護士でさえあれば仕事ができていた時代を体験し、ともすると弁護士としての力量を高め、新たな法制度へ適応できるように研修を積むという努力を怠っていたかもしれません。しかし、これからの弁護士増員時代に、研修にいそしむあまり、弁護士会の活動をおろそかにしてしまっては、これまで作り上げてきた人権擁護の砦が崩れ去ってしまいます。

 私たち期成会は、弁護士としての力を付けつつ弁護士会の活動をも支えていくことの重要性を痛感しています。しかも、こういった堅苦しいことだけを考え続けるのではなく、親睦の機会もたくさん作って、楽しくやっていこうと考えています。

 ホームページの様々なコンテンツに、そのことが現れていると思います。ページをめくって、体感していただければ幸いです。

 そして、東京弁護士会の会員であれば、どなたでも加入することができます。多くの方に参加していただきたいと願っています。



                   期成会創立趣意書