第1 2006年度期成会活動報告

1 はじめに

今年度の期成会は、(1)日弁連・東弁の課題、(2)各種課題への対応方法、(3)期成会50周年記念事業準備会の発足、という3つの区分に従って目標を立てた。

 

(1)日弁連・東弁の課題

@                  司法改革で実現した諸制度を弁護士全員で支えるという意識を覚醒させる。

A                  憲法改正問題、国民投票法案、ゲートキーパー問題、貸金業規制問題、共謀罪、代用監獄、少年法、刑事司法などに適切に対応する。

B                  若手を中心に急速に増加する弁護士の問題に対処する。

 

(2)各種課題への対応方法

@    実務的課題はできるだけ執行部会に委ねる。

A    幹事会で、会務運営上の重要課題や上記諸課題を議論する。

B    日常的に各委員会の活動を活発に行う。

C    新規課題については委員会を新設する。

D    毎月の活動報告を期成会MLなどで流す。

E    活動は「楽しく、明るく、元気よく」行う。

 

(3)期成会50周年記念事業準備会の発足

期成会が東弁ないし日弁連で占める位置を確認し、その意義と規模にふさわしい活動と規約を検討することを含め、準備会を年度中に発足させる。

 

以上の目標に対応して、今年度行ってきた活動を、それぞれの項目に沿って確認したい。

 

 

2 各論

(1)日弁連・東弁の課題

@ 弁護士全員で支えるという意識が端的に求められたのは、修習生の指導担当であった。本年度は現行60期の修習と新60期の修習が重なり、東弁だけで現行60期124人、新60期138人、合計262人を担当することとなった。修習生が年間約500人であった当時は東弁修習は100人弱であったから、3倍近くまで増大している。そして、東弁からの募集で自発的に応募する会員は現状でも100人に満たないから、修習委員が個別に依頼をしたり、各会派に人数を割り振ったりして、ぎりぎりまで引き受け手を探しているのが実情である。要請に応じてくれた会員からは「自分のためにもなってよかった」という感想も出ており、前向きに受け止めてもらえた面もあるが、いまだ十分とはいえない。

なお、将来構想委員会(中長期人事懇)では、5人以上弁護士のいる事務所のメンバーに集まっていただき、スタッフ弁護士の養成などについて意見交換を行った。そこでは、パブリック事務所からの参加者が、過疎地に行って戻ってきた弁護士が大きな戦力となるという感想を述べたのに対して、他の事務所の参加者が強い関心を示すなど、成果があった。

A 憲法改正問題、国民投票法案、ゲートキーパー問題、貸金業規制問題、共謀罪、代用監獄、少年法、刑事司法などについては、次のように対応した。

(ア)憲法改正問題に対しては、期成会の憲法問題委員会の問題提起に基づき、期成会執行部が法友会・親和会に意見交換会の開催を呼びかけ、2007年1月から3月にかけて毎月1回のペースで、東弁内に憲法問題対策本部を設置すべきであるという期成会の意見について他会派の理解を得るべく討議した。また、これと関連する事項として、日の丸君が代強制を違憲とした東京地裁判決について、期成会会員からの要請を受け、執行部の判断で東弁会長声明を求め、直ちに声明が出された。

(イ)貸金業規制問題については、日弁連・東弁の各上限金利引下げ実現本部の活動に積極的に取り組み、グレーゾーンの廃止という成果をあげた。

(ウ)共謀罪と少年法改正問題については、日弁連が実施する院内集会の案内を流すなどして対応した。

B 若手を中心に急速に増加する弁護士の問題に対処するため、期成会の58期から湧き上がってきた若手の会の取り組みをバックアップすることとし、2007年3月31日に島根県益田のひまわり基金公設事務所を訪問するための資金の一部を援助した。

 

(2)各種課題への対応方法

@ 執行部会について

実務的課題をできるだけ執行部会に委ねるという方針は、実現できたと考える。なお、執行部会の活動として特筆すべきことは、上記違憲判決に関する東弁会長声明の要請を迅速に行ったことと、下記A(ソ)に述べる高山・佐藤会員の文書と立候補活動に対する見解を明快に表明したことである。

その他、執行部としては、2007年度の日弁連常務理事に前田茂会員(31期)、東弁副会長に小林七郎会員(36期)、同監事に大森秀昭会員(39期)、関弁連常務理事に青木護会員(38期)、同理事に宮田信男会員(40期)をそれぞれ推薦し、いずれも就任していただくことができた。

また、常勤裁判官の推薦はできなかったが、非常勤裁判官については1人の推薦を果たした。非常勤裁判官は全国120人体制となり、継続的な担い手の確保が必要である。

研修所教官は、民弁・刑弁ともに1人ずつ推薦し、日弁連には推薦されたが、最終的に採用には至らなかった。執行部としては、ご両名とも適任者であると考えており、引続き来年度も候補者になっていただけるよう、お願いを続けたい。

なお、執行部会で対応をし損ねた問題として、平成19年3月1日に実施された日弁連臨時総会の第6議案がある。これは、ゲートキーパー法との関連で、一定の場合に依頼者の本人確認を弁護士に義務付ける規程の制定に関する議案であった。提案理由中には、弁護士が保管する依頼者の個人情報を捜索されても、刑訴法の規定に基づき提出を拒否すべきこと、その場合でも取引が適正であったことを証明するために提出してよいことが記載されていたが、そうであれば弁護士に保管義務を課す必要はないのであって、保管を怠れば懲戒になるという日弁連執行部の説明は明らかに不合理であった。ゲートキーパー法上は、義務を負う主体から弁護士が外されたため、対応が緩んだと言われてもやむをえないが、事前に幹事会などで十分な討議をすべきであった。

A 幹事会について

幹事会で、会務運営上の重要課題や上記諸課題を議論するという点については、次のように対応した。

(ア)北千住パブリック法律事務所の副所長を出してほしいという要請について討議し、千葉肇会員に引き受けていただくことができた。

(イ)災害復興支援基金への取り組みについては、幹事会で重要性を認め、期成会内で3回にわたって全会員向けの文書による呼びかけをした。

(ウ)多摩支部会館の取得問題では、立川の国有地を取得すべきであるとの建議書をとりまとめ、東弁会長に提出した。

(エ)裁判員制度に関する会員集会の必要性について議論し、今年度夏期合宿のテーマの一つとした。

(オ)裁判所の処置請求への対応を行う機関をどうすべきかという問題について討議し、現在ある法廷委員会を充てるべきであるとの意見書を東弁会長宛に提出した。

(カ)東弁の選挙制度改革について討議し、三会派で一致できる点(会派内の決定事項の伝達が許されていることの確認)を東弁会長宛に申し入れた。これに基づき東弁理事者が選挙管理委員会に諮問したが、同委員会からは拒絶回答が来た。

(キ)最高裁判所裁判官に会員を推薦した。

(ク)8月3日の執行部会を会員が自由に参加できる拡大執行部会とし、パブリック事務所経験者を囲む会を開催した。

(ケ)9月4日の幹事会を会員が自由に参加できる拡大幹事会とし、法テラススタッフ弁護士として赴任する58期の3人(浦崎寛泰さん・谷口太規さん・山口剛史さん)を囲む会を開催した。

(コ)10月の幹事会では、上記違憲判決の意義について、弁護団の加藤文也会員から報告を受けた。

(サ)6億円に上る予算を要する東弁のOA刷新について討議した。

(シ)日弁連の特別会費徴収延長問題(12月7日臨時総会議案)について討議し、結論としては賛成するが、若手会員に対する負担の軽減や会財政のありかたの検討等の注文をつけることとし、代表幹事が総会で発言した。

(ス)2007年度選挙政策について討議した。

(セ)幹事会で2度にわたり海老原信彦会員から期成会の憲法問題委員会の議論状況の報告を受け、東弁内に対策本部を設置する方策や、期成会の憲法問題委員会としてできる取り組みについて検討した。

(ソ)執行部が取りまとめた「高山俊吉会員と佐藤和利会員の連名による2007年2月13日付『中本1207、下河辺2543 期成会は原点にたちかえるときがきている』と題する文書及び佐藤和利会員の常議員立候補に対する期成会執行部の見解」について討議し、承認した。

B 日常的に各委員会の活動を活発に行うとの点については、各委員会の活動報告参照。

C 新規課題について委員会を設置するとの点については、「法曹人口・法曹養成問題委員会」の新設と若手の会をバックアップしたことが指摘できる。また、「OJT法律研究委員会」と「明るい刑事弁護委員会」は、従来の研究会を委員会に昇格させたものである。なお、それぞれの活動報告参照。

D 毎月の活動報告を期成会MLなどで流すとの点については、幹事会報告と日弁連・東弁のイベント案内を中心に、全会員に流すことができた。

E 活動は「楽しく、明るく、元気よく」行う。これについては、参加した人たちの評価を待ちたい。

 

(3)期成会50周年記念事業準備会の発足

準備会は、田中敏夫委員長、増岡研介事務局長以下のメンバーで発足し、10月20日に第1回の会合が開催された。日頃期成会の活動になかなか参加できない会員も複数参加してくれており、期成会の意義と規模にふさわしい活動等について熱のこもった議論が続けられている。

 

 

第2 各種委員会報告及び次年度活動方針案

 

1 人事委員会

                                       委員長 橋本佳子

 

本年度の人事委員会は、各種委員会委員の他に、研修所教官候補者、家事調停委員、綱紀委員、司法委員など、例年にもれず人探しのお願いに苦労をした。何よりも実際にお願いできる人の範囲が限られており、特に、いずれの人選でも40期台の人数が少ない。そのような中で、忙しいのは皆同じ中で事情を汲んでいただき引き受けていただいた会員に感謝したい。

委員会としては、東弁人事委員会副委員長の柴垣会員が、メールを活用して迅速に情報を流し、実際の依頼も多くを担当してくれたことにより、何とか乗り切ることができた。

ただし、柴垣会員に頼り過ぎて、期成会人事委員会としての会議を正式に開くということなく、必要に迫られて、執行部から催促されて緊急に会議を設定するというやり方が多かった。緊急の要請がくる人事の特質から仕方がない面もあるが、執行部以外に人事の委員の出席を確保することが困難であった。やはり、委員が集まることで、人事の依頼が可能な会員の情報を広く得ることができるし、依頼もよりふさわしい人から行うことができるようにするようにしたい。会議に参加できない場合には人事のメーリングリストで意見や情報を寄せるという作風を強める必要がある。

 また、常議員から出ている東弁の人事委員会への出席が非常に悪かった。これらも声かけを密にするなど対策が必要である。

 

 

2 政策委員会

                      委員長    (くわ) 原 周 成

 

(一)政策作りの経緯

 早期から問題点を洗い出し、議論をして練り上げた政策を作るべきであるとするのが、政策作りの心得とされているようであるが、その観点で言うならば、今期の政策作りは失敗と言われても已むを得まい。6月時点で原稿依頼をする段取りは作ったものの、実際に原稿依頼を始めたのは、11月に入ってからになってしまったのだから。しかし、1月の選挙直前に発行する政策原稿を夏頃までに集めるというのは余り現実的ではない。それでは殆どの原稿が大幅な書き換えを余儀なくされてしまう。むしろ、心掛けるべきは、期成会の政策の最重点課題とすべきテーマを早期に設定し、そのようなテーマについて練り上げた政策を作ることではないだろうか。今年度の政策に即して述べるならば、大増員時代の新人弁護士の就職問題への方策などについては、もう少し深い議論をすべきであった。

 

(二)政策内容

 今年度の政策の柱は、法曹人口問題と憲法問題の二つとし、「大量増員下の弁護士自治を守ろう」を巻頭スローガンとした。

法曹人口問題は、@司法修習の充実、A新人の就職問題、B業務対策問題、の3つの観点から取り上げたが、掘り下げが今ひとつであったことは認めざるを得ない。憲法問題では、東弁を初めとした単位会に憲法問題対策本部の設置を提案した。引き続き取り組みを続けなければならない。

 

(三)政策作りの今後の課題

(1)執筆要領の確立

単に500字を目処とするとの執筆要領のみで執筆依頼をしてしまった。その結果、用語の統一だけでも相当のエネルギーを使ってしまった。今年度の政策を作成するに際し、採用した用語の内、主なものは以下のとおりである。来年度の執筆要領に書き加えておけば、校正作業上益するところ大であると確信する。

@取組→取り組み A我々→私たち B障害者→障害のある人 C日本司法支援センター→法テラス D年代表示→07のように西暦下2桁表示とする

 

(2)見出しのスローガン化

 前年度の政策では、「・・・問題」「・・・取り組み」といった単なる見出しに終わっていた部分が散見されていたが、これらをできるだけスローガン化した。

 

(3)仕切り線の使用

 前年度の政策では、「平和と人権のために」「司法改革の前進を目指して」「会員のための弁護士会」の3部構成をとり、これら3つの大見出しの前に二重点線を引いた以外に、各原稿間に仕切り線は使用していなかった。

 だが、今年度の政策では、前年度の3つの大見出しをそのまま踏襲した上、各原稿間に仕切り用に実線を新たに使用することになった。

しかし、実は校正の最終版まで2種類の線は、その違いが明確に意識されないまま混在する状態になっていた。次年度に同じ失敗を繰り返さないため、敢えて記した次第である。

 

(4)締切に遅れた原稿の取扱

 今年度の政策の校正過程で、最終版まで、締切に遅れて提出されていた原稿が紙面から脱落していた事実に気が付かなかった。紙面の空白埋めるための「うめ草」原稿まで用意した後に、目次とそれに該当する原稿を対比する作業をしていて、辛くも気づいた。

 既に印刷会社の「きかんし」宛の入稿が済まされていたため、締切に遅れて期成会事務局に提出された原稿は、本来「きかんし」宛転送しなければいけなかった。しかるに、「執筆者が原稿を送付した」との報告を受けた委員長が、「原稿の送付」即ち「きかんし宛送付」と思い込んでしまったためのこのような事態が起きてしまった。次年度以降同じ間違いが起きないよう、恥を忍んで報告する次第である。

 

(5)政策委員会委員について

 政策委員会は、前年度理事経験者が委員長になり、執行部3役に現次年度理事プラスαで構成されるのが恒例とされている。今年度のプラスαは、鈴木尭博会員と脇田康司会員であった。

ところで、「私たちの政策」は、一貫してタブロイド版で発行されてきているが、政策原稿を限りある紙面にきっちり納めていくためには相当の熟練を要する。その技術を保持されているのは脇田会員のみである。そろそろ同会員の技術の承継も考えなければならない時期に差し掛かっていると思われる。

 

(6)次年度の課題

期成会の政策の最重点課題とすべきテーマを早期に設定し、そのようなテーマについて練り上げた政策を作ることが必要ではないか。そのために、総花的な論点設定をやめることも含めて、検討する必要がある。

 

3 広報委員会

                                    委員長 山下基之

 

(一)今年度の委員会の概要

 (1)委員会メンバー

山下基之 脇田康司 伊澤大輔 黒澤圭子 森裕子 高橋太郎

馬場 望 横山清亮(千葉県弁護士会から特別参加)

 

 (2)広報誌WAを3回発行した。 

読まれる広報誌を目指しているが、特集の憲法問題(品川正治氏講演議事録)、新人紹介、先輩弁護士に聞くシリーズ等、好評であったと委員会内部では評価している。

 

(二)次年度の目標

(1)現実には、WAがどの程度読まれているのか委員会への情報がなく、また、執行部の活動報告及びホームページとWAの役割分担が議論されることになると思われる。たとえば選挙総括も、WAは、結果の報告ではなく、立候補から当選、またその後の活動における苦労や楽しみ等を特集し、こうした情報を会内に伝えることによって、会全体のコミュニティ作りに資するようにしたいと考えている。

 

 (2)紙面のカラー化

    カラー写真を使って、読みやすいものを目指す。

 

(3)委員の増加

WAには若手会員の意識を強く反映させたいと考えており、若手会員の増加は不可欠である。

 

 

4 企画委員会

委員長 安部井上

 

(一)2006年度活動報告(2006.4.1 - 2007.3.31

(1)委員

委員長 安部井上 副委員長 片山哲章

委 員 藤井眞人、上石奈緒、伊藤勝彦、三森敏明、坂田洋介、

酒井桃子、浅賀大史

 

(2)内容

○ 破産法勉強会(4/20 上石)

参加者25名(記帳した者の人数)

  実数としては、もっと多くの参加を得られたと思われる。

懇親会参加者 7名

(感想)

  事例の解説も聞きたかった。

  相殺、否認、別除権の講義への需要もあると思う。

   → 第2部として続行するかどうか。

  条文読みに時間がかかったのでは?

  アンケートをとるべきであった。

 

○ 成年後見体験談(5/31  三森)

参加者23名(記帳した者の人数)

質疑応答も活発

「体験談での奮闘ぶりに感銘を受けつつも、求められる仕事のレベルの高さにためらいをおぼえる」といった参加者の雰囲気であった。

 

○ 勉強会−交通事故(7/10 藤井)

参加者は約20名。普段、あまり活動に顔を見せない方々の参加も得られた(懇親会6名)。

 

○ ワイン会(10/19  安部井 上石)

    (参加人数)

      54期以前の弁護士  15名

      55期以降の弁護士   4名

      事務局        22名

      不明          1名

      合計         42名

    大変盛り上がったが、キャパシティー的にはそろそろ限界である。今後、事前の申込みがなく当日いきなり来場されても対応できなくなることが予想される。

               

○ 59期新人歓迎会(11/14 片山・酒井・浅賀)

    司会者 浅賀大史、馬場望

  インタビューアー 坂田洋介

    (出席者)

59期新登録者     10名出席

59期以外の新入会員   4名出席

    一般会員        42+α名出席

    2次会の出席者 約22名(予約人数25名に満たない)

    うち新登録者は、2〜3名程度

* 例年より少ない。同時刻に弁護士会関係の教育基本法改正反対集会が行われていたことが原因か?ただし、新人の出席者数は例年この程度ではある。

  

○ 造り酒屋見学(2/24  藤井)

    参加者19名

    甲府の「太冠酒蔵」(全国新酒鑑評会金賞を受賞)を見学した。参加者からは醸造方法等について活発な質問がなされた。

      その後、郷土料理の店で「太冠」を飲みながら、「ほうとう」などを楽しんだ後、ミレーの「落ち穂拾い」のある県立美術館など見学した。

    人気のある安定した企画であり、今後も継続したい。

  

○ 花見屋形船(3/31 酒井) 本引継書起案時点で未実施

    参加予定人数 55名(弁護士19名)

企画委員会管理の資金から会費を補助する予定

    今回は隅田川で「花見」を楽しむ企画とした。暖冬のため、開花予想に一喜一憂したが、絶妙のタイミングをとらえることができた。

 

(二)2007年度活動方針(2007.4.1 - 2008.3.31

(1)委員

委員長 安部井上  副委員長 片山哲章

委 員 藤井眞人、上石奈緒、三森敏明、伊藤勝彦、坂田洋介、

酒井桃子、浅賀大史

    実働委員を増やし、適宜、分担するようにしないと、長い目で見れば、当委員会の活動は先細りとなるおそれがある。

    OJT法律研究委員会の活動とは共通する面もあるので、共同企画などの可能性も検討して行きたい。

 

(2)内容

(ほぼ)決定している企画は以下のとおり

   平成19年6月 20期登録40周年祝賀会        

        9月 ワイン会(上石)

       11月 60期新人歓迎会

   平成20年2月 酒蔵見学(藤井)

   * 屋形船企画は定例化が期待される企画であるが、開催時期(暑気払いか花見か)の問題もあるので、06年度末実施の屋形船花見企画の評判をふまえて検討する。

   * 法科大学院の授業見学企画(於:渋谷パブリック)の提案がなされているが、企画委員会としての対応は未定である。会員有志の自主企画というのも一つの方策である。

      * 勉強会企画としては、破産法の2回目が検討されているが、それ以外は今後の課題となっている。

 

(3)予算

・通常の企画補助費として、前年度と同様の予算をお願いしたい。

・企画委員会管理の資金として約12万円をプールしている。(ただし、前述したとおり、年度末の花見屋形船の企画の会費補助として約金7〜8万円を支出予定)。07年度も企画の会費割引分相当額を補填するために使用する予定。

 

 

5 法曹人口・法曹養成問題委員会

委員長 立石則文

 

(1)委員会の開催と議論

 

第1回 2006年4月14日  参加者 立石、小林七郎、木村裕、白井

    方向性について議論

 

  第2回 同年5月18日     参加者 同上および久保田

    ABAマクレイト・レポート研究の取り上げ、ドイツ司法改革およびフランス司法改革の取り上げ、日弁連業務改革シンポ資料の研究など

    米国ロースクール研究レポートなど

    クレメンティ・レポートなど

 

第3回 同年7月19日     参加者 同上

    引き続き前回調査資料などの分析・検討

 

《8月18日 06年期成会夏合宿でのマクレイト・レポート内容紹介と議論》

 

第4回 同年9月20日     参加者 立石、木村、白井

    引き続き調査資料などを基にして議論 特に「弁護士自治」との関連について

 

第5回 同年10月25日    参加者 同上

・ 弁護士自治についての論文資料を分析・検討

 

第6回 同年11月21日    参加者 同上

    引き続き調査資料を基に議論

 

  第7回 2007年1月19日  参加者 木村、白井、松村

    2月15日開催期成会将来委員会(50周年シンポ準備委員会)への合流検討

 

(2)2007年2月15日期成会将来構想委員会にて立石が中間報告

 

(3)今後の方向性

 

    2009年の50周年シンポにおける取り上げをめざして、さらに議論を深めてゆくことが望ましい。

    2007年から2009年までの間に、新司法修習および先立つロースクール制度のメリット・デメリットが判明してくると思われる。さらに若手弁護士の就職状況などもよりはっきりしてくると思われる。それらの分析・検討を同時進行状態で分析、検討してゆくべきであろう。

    弁護士自治については、3000人体制を前提にどのようなものとするべきか、議論が必要であろう。

 

(4)新体制

 

立石は東弁の司法修習委員長として07年度の活動を予定しているので、期成会としては、新体制を組成することを検討する必要あり。

 

6 ホームページ委員会

委員長 町田正裕

 

(1)1年間の活動

 昨年春ころから長きにわたる冬眠状態から徐々に目覚めはじめ、大村、白鳥という超強力な委員を得た委員会は、その後急速に活動を開始し、事務局の全面協力も得て、着々とホームページのコンテンツを充実させていった。

 12月にはサーバの運用を、「ファーストサーバ梶vの「ギガント」シリーズに変更し、容量を100メガから2ギガに増量し、写真画像等の掲載に支障がないように準備した。

 

(2)ホームページの現状

 トップページでは、左側に更新状況の窓を設け、そこから更新された情報にジャンプできるようにした。

 「期成会とは」のページには、代表幹事就任挨拶を顔写真入りで掲載した。

 「リンク」のページには、会員法律事務所ホームページをできるだけ多く掲載した。

 「会員ページ」は、パスワードでガードして、専ら会員が気兼ねすることなく写真を掲載したり、意見を述べあったりできるようなページとし、思い出の写真や会員の顔写真を徐々に増やしていった。

 画期的なのは「会報『Wa』」のページである。ここには、過去に発行された会報「Wa」を全て掲載(PDFファイル形式)すると共に、期成会発足以来の(「Wa」命名以前の)会報などもできる限り掲載した。ついでに、20年、30年、40年記念誌も全ページにわたって掲載した。この辺がサーバ容量を増やした成果である。まだまだどんどん掲載できるので、資料的価値のある過去の遺産、写真、データなどがあったら、事務局までご送付願いたい。

 相変わらず「会員交流ルーム」の利用は低調であるが、とりあえず当委員メンバーの交流には役立っている。

 

(3)今後の課題−見たくなるホームページとは

 以上のように1年前と比較すると、(たぶん)見違えるように充実してきたホームページであるが、まだまだ使い切れていないのが実状である。しかし、サーバの増量によってビジュアル面での充実が可能になったので、これからもっと、「見て楽しめる」「実際に役立つ」ページを目指していきたいと思う次第である。

 

 

7 OJT法律研究委員会

委員長 増岡研介

 

(一)主な活動

(1)OJT案件

委員長の受任した商標権侵害差止等請求訴訟、商標登録無効審判請求、同審決取消訴訟につき、希望者との間で研究会を行った。

参加委員:鹿野真美、菅野典浩、馬場望

参加修習生:岩崎泰一

 

(2)講義

@ 知的財産権

4月26日「知的財産権の原点に戻る」 

朝倉会員講義

A 不動産鑑定

9月12日、10月12日

蒲生豊郷不動産鑑定士講演

B 税務

11月24日、12月5日

白坂博行税理士講演

 

(3)募集

パロマ欠陥商品事件被害者弁護団(中村代表幹事より)

 

(二)問題点

会員からOJT案件が出ない。方法論について検討が必要。

 

 

8 明るい刑事弁護委員会

委員長 中村忠史

 

(一)今年度の活動報告

(1)出版

昨年5月、「保釈をめざす弁護―勾留からの解放―」(期成会実践刑事弁護叢書01)を現代人文社から出版した。売れ行きは好調で、第1刷3000部が完売し、第2刷を出した。

7月19日に日比谷パレスで行った出版記念パーティも、30人以上の参加を得て盛会であった。

 

(2)講演会

今年度は、精神鑑定を中心に講演会を企画した。

昨年10月3日は、多摩あおば病院の中島直医師から「精神鑑定と刑事弁護」という演目でお話を伺った。出席者は27人であった。

また、今年1月24日には、都立松沢病院の梅野充医師から「覚せい剤依存症からの回復について」という演目でお話を伺った。こちらの出席者は20人であった。

 

(3)定例会

従来は、毎月1回の定例会で手持ち事件を報告し、意見交換をしていたが、今年度は出版と講演会で時間を取られ、事件の勉強会が開けなかった。

 

(二)次年度の活動方針

今年度実施した精神鑑定関連の講演をとりまとめ、「期成会実践刑事弁護叢書02」をぜひとも出版したい。

また、メンバーを増やして、定例会と講演会を両立させたい。

 

 

9 憲法問題委員会

委員長 飯田幸光

 

(1)委員 飯田幸光 木村晋介 山本真一 鈴木堯博 吉羽真治 桑原周成

 白井剣 海老原信彦 川上詩朗 泉澤章 浦城知子 松村卓治

 

(2)期成会会員の日弁連・東弁の憲法委員会での三役就任状況

T 日弁連憲法委員会     吉羽真治主査理事

U 東弁憲法問題等特別委員会 山本真一副委員長 中本源太郎副委員長

 

(3)日弁連での2006年以降の主たる活動

 2月09日 横浜事件再審判決に関する会長談話

 2月22日 パネルディスカッション問題点を検証する

「憲法改正国民投票法案」

 4月25日 教育基本法改正法案の今国会上程について慎重な取扱いを

求める会長声明

 5月27日 [「改憲・・・どうして?!」憲法改正?国民投票法案?

日本はどうなる?]

 6月20日 自衛隊のイラク早期完全撤退を求める会長声明

 8月15日 靖国神社参拝に関する会長談話

 8月22日 「憲法改正手続に関する与党案・民主党案に関する意見書」

 9月15日 教育基本法改正法案についての意見

※(9月26日 9条がんばれ!!弁護士が集う「第9」コンサ−ト)

11月02日 衆議院憲法調査特別委員会小委員会で担当副会長、

憲法問題委員会事務局長が参考人として意見陳述(合計3日間)

11月16日 教育基本法案の与党による単独採決に対する会長談話

12月01日 「憲法改正手続に関する与党案・民主党案に関する意見書

(憲法改正の発議のための国会法の一部改正について)」

12月01日 「防衛庁設置法等の一部を改正する法律案」に関する会長声明

12月08日 シンポジウムどこが問題?!憲法改正国民投票法案

12月20日 改正教育基本法の成立についての会長談話

 2月15日 パネルディスカッション どうする どうなる 憲法9条

 3月07日 シンポジウム「憲法改正国民投票法案−各党に聞く(U)」

 4月21日 憲法60周年記念シンポジウム

5月12日 世界から見た日本国憲法(憲法記念行事)

 

(4)東弁での2006年以降の主たる活動

 2月23日 横浜事件に関する会長声明

 5月18日 教育基本法「改正」法案に反対し、廃案を求める会長声明

 9月28日 言論の自由に関する会長声明−加藤紘一邸放火事件に関連して

 9月28日 思想・良心の自由に関する会長声明

−国歌斉唱義務がないことを認めた判決に関連して

11月16日 教育基本法「改正」法案の衆議院採決に関する会長談話

 2月27日 憲法改正手続法案の慎重審議を求める会長声明

 

(5)期成会の2006年以降の主たる活動

 4月03日 日弁連の憲法委員会を憲法問題対策本部に改組すべきことなど

憲法改正問題に関する提言書を各会派に提出

 8月19日 期成会夏合宿で憲法改正問題について集中討議

10月03日 幹事会で国歌斉唱義務不存在確認等訴訟 9/21東京地裁判決の

報告討議

10月20日 東弁に憲法問題対策本部を設置すべきとする提言書を各会派に

提出

 3月02日 東弁の憲法問題等特別委員会を発展的に解消させて憲法問題

対策本部に改組すべきとする提言の具体的イメ−ジを幹事会

で議論

 

(6)憲法問題プロジェクトチームの会議

6月12日(第1回会議)

7月26日(第2回会議)

9月08日(第3回会議)

10月24日(第4回会議)

11月27日(第5回会議)

 1月11日(第6回会議)

2月14日(第7回会議)

3月15日(第8回会議)

 

(7)まとめ

 これから5年以内の改憲実現を内閣の使命とする安倍晋三内閣が発足した。この内閣は、憲法9条を改正して日本を海外で戦争できる国に変えようとしているだけではなく復古的価値観に基づいて統治機構や基本的人権についても「美しい国」像に沿って改定しようとしている。

 憲法・国連憲章・国際人権法などに依拠して平和を守り市民の人権を擁護すべき使命を持つ弁護士・弁護士会は、改正案の具体的内容に則して適切な意見を表明し行動する必要がある。特に、2006年日弁連会長選挙で全ての会長候補者が憲法9条2項を含めた恒久平和主義の堅持を選挙公約に掲げて会員の広範な支持を得た実績に照らして、2005年日弁連人権擁護大会(鳥取大会)での宣言を更に前進させる会内合意を早急に形成する努力が必要である。

 国民投票法案についても、その本質が国民の利益に反する憲法改正を狙ったものであり、主権者たる国民の意思が十分に反映されない仕組みになっていることを明らかにして強く反対していく必要がある。

 憲法改正問題については、活動の指針となる日弁連「憲法の定着と発展のための行動宣言」(仮称)を制定するとともに、日弁連及び各単位会に調査・研究・運動を担う憲法問題対策本部(本部長は会長)を設置すべきである。

 

 

10 夏期合宿委員会

委員長 小林七郎

 

(一)参加状況

今年の夏合宿も蓼科フォーラムで開催した。1日目の講演と研修には延べ53名(うち修習生3名)が参加した。ここ数年の参加者は40名台で推移していたが、今年はじめて50名台に達した。

2日目の討議には延べ34名が参加した。例年も2日目の参加は減少するが、1日目に比較して20名近い減少は多すぎる感を免れない。是非2日目の参加もお願いしたい。

 

(二)企画内容

   企画内容は次のとおりであった。

(1) 1日目

〈講演〉「依頼者及び相手方等との面接・交渉の技法」

下山晴彦 東京大学大学院教育学研究科教授(臨床心理学)

下山教授の講演は、主として法律相談の場面で上手に面接をするためにどのような点に配慮すべきか、また面接技術の向上のために「聴く」技能が必要であり、それを身につけるためにどのような訓練が必要であるか等の点について専門的立場からわかりやすく説明がなされた。

この講演は、ベテランにも若手にも有意義であったと思われる。

〈各専門分野からの報告〉

・ 「裁判官から見た主張・立証活動及び和解の進め方」

(水野邦夫東京地裁判事)

水野裁判官の講演では、事実認識をめぐる裁判官と代理人とのギャップの存在とその要因、裁判官の事実認識の過程、書証、人証調べの心証形成における寄与度、和解における弁護活動のあり方など、弁護士出身の裁判官らしく、弁護士の知りたいところを要点をつかんだものであった。書面の書き方、尋問の方法等、弁護士として反省すべき点も多々指摘され、大変有意義なものであった。

・ 「知的財産権分野への取り組み」(増岡研介会員)

    「行政の分野への取り組み〜教育委員、児童相談所非常勤職員として〜」(磯谷文明会員)

・ 「労働審判制度への取り組み」(徳住堅治会員)

    上記3会員からの報告には、外部講師による講演に時間を費やしたため、予定より時間が少なくなってしまい、質疑応答の時間をとることができなかった。3会員とも、極めて要領よく、わかり易く報告して頂いた。

 

(2)2日目

〈午前中の報告と討議〉

・ 「新しい刑事手続について」(細田はづき元会員)

東京地裁の公判前整理手続第1号を担当した細田はづき元会員から手続の説明と第1号事件の体験談の報告がなされた。

・ 「裁判員制度に対する取り組み方」(濱田広道会員)

裁判員制度に向けて各地で行われた模擬裁判の実情(無罪とすべき事件が裁判官の強引な説得により有罪とされたなど)、日弁連の取り組みや今後の課題などが報告された。

〈午後の報告と討議〉

・ 「国民投票法案の問題点と今後の取り組み方」(山本真一会員)

憲法「改正」をめぐる情勢について報告がなされた。改憲阻止に向けて東弁改憲対策本部の設置を期成会が各会派に呼びかけることの提案がなされた。

・ 「大増員時代の業務対策について」(立石則文会員)

   アメリカでの弁護士人口増加が司法界にどのような変化をもたらしたかを報告したマクレイト・レポートが紹介され、法曹人口・法曹養成においてどのように期成会や弁護士会が取り組むべきかの議論をすべきこと、法曹人口の増大は弁護士自治の危機を招くか、等の報告がなされた。

 

(3) 財政

若い期の会員の負担を軽減するため、58期は負担を0とし、53期〜57期までの参加費を半額とした。

期成会からの補助30万円を予算に組んであったので、この補助を入れて約2万円の赤字となった。この程度の赤字で済んだのは43万円程のカンパのおかげである。

 

(三)総括と今後の課題

  合宿委員は、委員長以外はいずれも50期代であったことから、研修の内容は若手の委員の意見を採り入れて決めた。その結果、若手にとって興味があり、また勉強したいと思う課題について講演や取り組みの報告をしてもらうことになった。

しかし、結果的には若手ばかりでなく、ベテランにとっても有益であり、興味を引くテーマを取り上げることができた。今年の参加者が多かったのはそのためであると思われる。多くの会員が弁護士実務にとって有益なテーマを望んでいることが窺われ、今後のテーマの取り上げ方の参考になると思われる。

  参加者が20期代と50期代が多かったことから、ベテランと若手の交流を深めるという点では一定の成功を収めたと言える。しかし、様々の分野で活動の中心となっている中堅会員の参加が今年も少なく、今後の課題である。

・ 2日目の報告と討議は、1日目に較べて20名近く参加者が減った。2日目の参加者確保は企画内容とともに今後の課題である。

・ 若手が参加をしやすくするために、今後も若手の経済的負担を軽減することは継続することが望ましい。また、他方でベテラン会員に対するカンパ要請も忘れてはならない。

 

 

11 弁護士任官推進本部

委員長 石田武臣

 

(一)メンバー

本部長:石田武臣

委 員:紙子達子・金澄道子・井上直子・菅野典浩

担当事務局次長:高橋太郎

オブザーバー:中村雅人・濱田広道

 

(二)2006年度活動報告

(1)目的

    期成会の会員から、常勤・非常勤の弁護士任官者を輩出すること。

    期成会の中で、そのための広報活動を行うこと。

(2)活動内容

    月1回程度、会議を開催した。

    東京地裁、簡裁、家裁で調停委員をしている人のうち適齢期にある人たちに、常勤・非常勤の弁護士任官を手紙と電話で打診した。

    3人以上弁護士のいる事務所に、事務所内で弁護士任官等の検討を呼びかける手紙を出した。

    適材と思われる人たちに、個別に電話などで打診した。

(3)成果

    今年10月の非常勤裁判官への応募者1名を得た。

 

(三)2007年度の課題

(1)会員に対して、非常勤裁判官への任官を勧める活動を行う。これは、非常勤裁判官になって裁判所を知ることが、常勤裁判官への任官決意にプラスに働くと考えられるからである。

(2)その上で、非常勤裁判官に対して、常勤裁判官への任官を勧める活動を行う。

(3)会員に対して、直接、常勤の裁判官に任官することも併せて勧める。

(4)常勤・非常勤裁判官の話を聞く会の開催等、期成会内の広報活動を行う。

(5)委員を増員する。

 

※参考事項(弁護士任官実績)

平成18年6月: 1人

平成18年9月: 1人

平成18年10月:1人

平成19年4月: 4人(東弁1人)

平成19年10月:現在7人推薦中(東弁2人)

 

 

12 中長期人事懇談会(将来構想委員会)

委員長 前田 茂

 

今年度の活動は、責任者と期成会三役との間で、中長期人事政策確立のための議論を深め、当面の活動として、

@ 期成会の活動に若手・中堅を大胆に活用する(企画委員会の活動経験を生かす)。

A 50期代以降の各期について、定期的に同期会をおこなうよう援助し(同期会をおこなっている期は「強い」)、各期で責任をもって弁護士会役員、教官などを輩出することの自覚をもってもらう。

B 登録5年以上経過した会員のうち、東弁副会長、日弁連事務次長、教官等の候補者についての弁護士会活動については、当該会員任せにせず、期成会として位置づけて委員会に所属させる(教官候補者は修習委員会等)

ことの確認がされた。

  また、平成18年10月27日には、執行部のほか11の共同事務所(複数参加、他会、他会派からの出席者もあり)の参加を得て、「21世紀の法律事務所の役割を考える懇談会」を開催した。

ここでは、各事務所の実情や「人事政策」についての意見交換がおこなわれ、弁護士会役員、司法研修所教官、公設事務所員等の人事について期成会が継続的に責任をもって配置できるよう、各事務所とも数年単位でこれに協力する体制を確立することに前向きの議論がなされた。

期成会は、いわゆる人事派閥ではないが、今後とも、各会員がその能力を発揮でき、喜びややりがいを感じ、成長につながるような役職に就けるためには、中長期的な視野に立った人事配置につとめるべきであり、そのための施策をさらに検討する必要がある。

 

 

第3 選挙報告

選挙対策委員長 橋本佳子

 

1 会長選挙について

候補者双方の所信を聞く機会をもった。下河辺候補については、一回目の印象では特に憲法問題に関する考えが弱く心配であるという意見が出ていたが、2回目には9条に関しても改正反対の立場であるとより積極的な意見表明があった。国民投票法についても成立させる必要はなく、法案の内容も日弁連意見のとおり多くの問題点があるとの態度であった。総会において、憲法問題を中心に期成会の政策を尊重することを期待すると伝えることとし、期成会としての支持決定をした。

最近は、司法改革推進派と反対派という構図が明白で、人物選挙ではなく政策選挙となっており、各会員にとって選択しやすくなっている。選挙結果(下河辺2543票、中本1207票)は、司法改革推進賛成の会員でも、支援センターや裁判員制度など具体的な問題について日弁連の方針・活動に対する不安が現れており、今後の日弁連の会内合意形成に向けた取り組みに一段と力を入れる必要がある。

 

2 副会長・監事について

選挙はなかったが、特に他会派の挨拶は当然、その他も執行部や選対メンバーの選挙事務所への集中が悪かったのは問題であった。今後は、期成会としてのバックアップ体制を強化することとし、次期の小林七郎副会長、大森秀昭監事に大いにがんばっていただきたい。

 

3 常議員選挙について

80名の定員のところ最終的候補者は81名であり、期成会の候補者が落選するという結果に終わった。期成会から1名の落選者を出してしまったことは重大であり、その原因、問題として、以下の点が考えられる。

@ 常議員の期の構成のあり方

最近は、50期台は必ず候補者を出すようにし、常議員の半数を占めるようになった。常議員会の議事内容からみて、20〜40期台を意識的に多くすべきではないか。

A 候補者決定の遅れ

かろうじて12月中に候補者を決定することができた。しかし、そのうち、何人かは執行部からムリヤリ説得をするという状況であった。そのために、ほとんどの候補者がお願いの声かけを開始したのは公示日以降であった。

できるだけ早い時期(夏から秋にかけて)に候補者を決め、会外の人には殊更に早い時期にお願いの声かけが必要である。そのうえ、最近は、一条の会との関係で、会内の票も一定数は確実に減ることから、従前に比較して会内への声かけも時期を早めなければならない。今年度の候補者決定の遅れは特に大きな問題であった。

B 候補者決定のあり方

候補者決定の時期の問題だけでなく、決定のあり方も問題である。今年度に限ったことでなく最近の傾向であるが、若い期を除き同期の仲間同士で決めるという作風がほとんどなくなっていることである。やはり、同期会を開くなどして互いの状況を出し合い会う中で候補者を決定すれば、その後の選挙活動もみんなで支えようという気持が生まれる。同時に期成会に対する帰属意識も向上する。

候補者が決まらないため執行部で説得してようやく決まり、立候補していることを同期も知らないという実情の下で、候補者が選挙期間中、文字通り孤軍奮闘するという姿になってしまう。現に、今年度はそれが目立った。

C 改善しなければならない電話入れの票読み

立候補の決定が遅いこととあいまって電話入れの遅れが目立った。会員から「自分はだれに入れるのか」という問い合わせや苦情も結構あった。候補者と責任者に任せきりという状態になっていた。候補を出していない割り当て期のサポートがなかった。全ての期の責任者を決め、徹底することが重要である。

D 選挙事務所への集中の少なさ

選挙責任者や執行部のメンバーの選挙事務所への集中が弱かった。特に、他会派の人が顔を出したときに対応する人がいないということもあり、問題であった。この点は選対や執行部で必ず選対事務所にいる人を当番をきちんと決めるというこれまでのやり方を怠った点は問題であった。

選挙事務所での電話かけが圧倒的に少なかった。ここで、電話をすることにより、先輩から若手に弁護士会の選挙の仕方や情報を伝えることができるというメリットを生かせなかった。

さらに、一般会員の立ち寄りが少なさが目立った。昔は選挙がはじまると裁判や打ち合わせの合間に「選挙事務所に行きましょう」という雰囲気があったが最近はなくなっている。これら対する意識的な適切な対応がなされなかった。

E 選対での得票状況に関する詰め、割り振りの甘さ

全体として、各候補者の票読みに関して詰めが甘かった。これまでは、選挙責任者の範囲ではなく多くの会員が参加して、それぞれが情報を出し合うというやり方がもっと熱く行われていた。これらが弱かったことが票読み、票割の詰めの甘さにつながった。

F 選対ニュースが1回しか出せなかった。

G  お礼の電話かけ

選挙終了後、報告とお礼の電話かけを行うことがおろそかだった人もいる。このようなことも選対の方で目配りが必要であった。

 

4 今後に向けて

以上の今年度総括すべき問題点を確認し、来期以降に向けた対策が必要である。これらの傾向はいずれも今年度にはじまったことではなく、年々徐々に進行していた。本年度は、それらを改善できず、逆に拍車をかけてしまい、選挙結果に現れたと言わざるをえない。

選挙に関するこれらの問題点の改善・克服は、いずれも選挙のみに関することではなく、期成会に対する帰属意識を向上させ、会活動を活性化するために不可欠である。現在、期成会の50周年に向けて各企画の準備を進めているが、そのためのよい機会である。

今回の選挙で、他会派との間の寄付、当選挨拶回りなどの虚礼廃止が進んだ。ただし、選挙に関する総会決議を会員に直接伝達できるようにするなど、来年選挙に向けて選挙会規の改訂を可能なかぎり行うべきである。

その他、次のような点を励行したい。

    各期1名の責任者を決めて、選対本部に入ってもらうなどの工夫をする。

    選対ニュースを頻繁に発行する。

    票読みのときや選対ニュースで、選挙会費の納入を呼びかける。

 

第4 東弁・日弁連・関弁連活動報告

 

1 東京弁護士会会務報告

東弁副会長 並木政一

 

この報告は本年度の東弁会務の重要な課題と、自分が実際に担当した分野に限られていることを、はじめにお断りしておきたい。

1)日本司法支援センターに関連する活動

本年度の最大の課題は、昨年4月に発足し10月に業務を開始した法テラスに対応する民事、刑事の各体制の構築であった。動き出した組織であるためいずれも実務的な課題ではあるが、まったく新しいスタートであるだけに、東弁としても大きなエネルギーを注がざるを得なかった。

刑事については、弁護権独立の観点から法テラスとの調整作業や、契約を拒否する会員との関係など苦慮する問題点があったが、関係者の粘り強い努力により混乱を生じることはなかった。民事については特に大きな問題はなかった。

しかし、刑事を含めて弁護士に対する報酬基準が低額に抑えられているという一般的な傾向があり、この点は今後とも注意が必要である。

 

 (2) 四谷の新法律相談センターの開設

   法テラスの開業に合わせて、同東京支部の同じビルに東京三会による法律相談センターを開設した。弁護士会の法律相談センターが都内各所に拠点を拡げていくことは会活動の充実につながり、それに伴う大きな負担を考えて有意義なものである。

 

 (3) 裁判員制度への取組

   本年度は模擬裁判など広報活動に力を注いだ。次年度にはプロの演劇集団の協力を得て都内3箇所で上演する裁判劇も準備されている。また、裁判所、検察庁との共同による模擬裁判も毎回充実した内容となっている。これらは録画されて活用される予定である。

 

 (4) 人権擁護活動

   警察や刑務所・拘置所による人権侵害に対する調査・措置等の、いわば日常的な活動のほか、本年度は特に東京都教育委員会による日の丸・君が代強制問題に関する裁判の動向に即した会長声明などの対応、教員に対する懲戒処分への弁護士関与を認めないことに対する警告などに関して積極的な活動をおこなった。

さらに、報道被害に関する110番、米軍基地を共有する単位会の共催による基地被害に関するシンポジュウムなども実施し、旺盛な活動を展開した。

また、人権侵害救済申立事件の滞留問題も、正副委員長などの精力的な活動と嘱託など新しい体制を構築して解消される目途が付いた点も評価される。

 

 (5) 憲法改正問題など悪法阻止活動 

   憲法改正問題については、まず会報リブラ3月号に「憲法改正問題を論証する」と題する特集を組んで会員への啓発を試みたほか、国民投票法案に関するシンポジュウムを開催した。また衆議院での慎重審議を求める会長声明を発した。

教育基本法の改正問題についても、集会や会長声明などで対応したが、残念ながら成立を許してしまった。

   ゲートキーパー問題は、弁護士会を適用対象外とすることで当面のところ決着をみたが、今後とも注視していく必要がある。

 

 (6) 法曹養成問題 

   修習生の大増員は、研修所卒業後の就職問題への対応が最大かつ切実な課題であったが、これに対する弁護士会の取り組みは総じて不十分である。期成会も大きな声を上げる必要があろう。

また、弁護実務修習の受け入れ態勢の構築についても、修習委員会の委員の拡充、個別修習担当者の確保など多方面に困難な問題を投げかけている。誰もが普通に修習生を指導する慣行の確立が必要である。

  さらに、新修習制度に備えた準備、とりわけはじめての選択型実務修習の実施案の策定には本年度多大なエネルギーを注いだ。

 

 (7) 紹介センターの発足

   会長の公約でもあった弁護士紹介センターは、来る4月1日をもって発足する段取りとなった。依頼者と弁護士の架け橋として、また若手会員の業務対策としても重要な施策であるので、月並みな表現ではあるが、小さく生んで大きく育てるつもりで今後の運営に期待したい。

 

 (8) 多摩支部問題

   多摩支部の新会館建設については、3000uの土地の購入を計画するなど、本年度は積極的に動いた。結果的には取得できなかったが、規模の大きな新会館を建設することに関する会内合意を短期間に作ったことは実績としたい。創立10周年を迎える多摩支部が新しい会館の建設とともに名実ともに充実することを祈念したい。

業務量が増加する多摩支部の職員を増員する問題も、本年度、当番会である東弁が正職員を1名増員することができた。

   立川に新設される裁判所等の新庁舎の建築に関しては、いくつもの要望を伝えてきたところである、とりわけ裁判員裁判への対応については、法廷に隣接する接見室の確保などが実現できる見通しとなったことは喜ばしい。

 

 (9) 財務問題

   まっさきに手をつけたのが多額の現預金の運用であった。ペイオフ対策のために決済性預金におかれ、利息収入がないという状況をあらため、合計49億円の運用を開始することができた。

   予算の執行を厳しくチェックすることにより、漫然と支出されてきた感のある保険料、福利厚生費、飲食費、交通費、印刷費等について問題点を洗い出すことができた。すべてを改善することはできなかったが、残った課題は次年度への引継ぎとすることができた。誤解を恐れずに感想を述べれば、いい加減な支出が多いことにあきれる場面もあった。

   会員に分かりやすい財務とするために、新公益会計基準への対応も平成20年4月1日から適用するために動き出しているほか、基本財産特別会計をはじめとする多数の特別会計についても、財務委員会から廃止の意見書が提出され次年度の課題として引き継ぐことができた。

   その他、弁護士会の事業に対する課税問題についても、日弁連と国税局との協議の継続と東弁における対策を追求した。

 

(10) 新入会員の会費負担の軽減

期成会の重要な政策であったこの課題は新入会員の特例会費の大幅な値下げと新会館臨時会費の減額および分割納付金の減額によって東弁としては実現できたが、日弁連に対する働きかけも必要である。財務委員会、総務委員会からも同様の意見が出ている。

 

 (11) 公設事務所の設置

   公設事務所の役割はますます重要となっているところ、東弁の既設の3事務所の経営は上向きであり、黒字を計上するようになっている。本年度は立川に新しい公設事務所の設置が検討され、3月28日の多摩支部総会で議決される段取りまで進行した。次年度には開設される予定である。

 

 (12)  選挙会規の改正

   会派連絡文書を選挙文書とみなさず自由に出せるようにして欲しいという各会派の要望は、選挙管理委員会の同意が得られなかった。しかし、委員会から反対提案として、ファックス等の解禁の意見書が提出された。選挙期間の短さに配慮して文書による選挙活動を自由にかつ充実したものとするための提案であり、実現すべきである。さらに、立候補納付金から預託金制度への改正、不在者投票日時の改正など、この機会に職員の意見も入れた会規の改正案も作成され、関連委員会から前向きな答申が得られている。実現までの課題は、実際に候補者を擁立する会派の動向である。

 

 (13) その他の課題について

@ 弁護士任官の推進については、非常勤裁判官から通常任官への新しい取組が成果を生むようになった。非常勤裁判官への応募者数も増えている。

A 保険業法改正で東弁の弁護士補償事業(共済制度)が維持できない問題への対応は、制度の廃止という方向で会内の意見が集約されたが、実際に廃止することになると代替制度の問題や3億6000万円もの繰越金の処理、これに関連する会費の値下げなど、解決しなければならない問題が残っている。特定保険業者としての届出を済ませているので平成20年3月31日までは現行の制度が運営できることになっているが、次年度中には総会決議が必要となる。

B 義務化された会務活動等の制度の運用については、義務履行者が増加傾向にあり歓迎すべき方向にある。また5万円の代替義務の納付状況もよく、義務履行のまま氏名公表というペナルティを受ける会員はわずか10名足らずである。委員会や事務局の地道な努力の成果と考える。

C 会員サービスの充実は重要な課題と位置付けたが、運動会の無料化を実現した程度であった。大変残念である。

 

 (14) 残した課題

@ 会費の減免制度の改正である。東弁の会則27条5項の規定は「病気その他特別の事情のため弁護士業務を執ることが著しく困難な」場合、「常議員会の議を経て」会費の減免ができるとして厳格な要件を定めるが、会員の経済状況や心身の状況を考えると、より緩やかな減免あるいは徴収猶予の規定が必要と考える。

A 弁護士の非行問題や心身の病気、とりわけ心の病を原因として十分な業務遂行ができない会員に対するフォローが必要であり、東弁として精神科医やカウンセラーとの間に業務提携契約を締結することや、市民窓口委員会内に新しい部会を設けることなども実現したいところである。

 

 

2 東京弁護士会監事報告

東弁監事 桑原育朗

 

(一)2006年度の課題と業務遂行

(1) 2006年度は、財務担当理事者に並木副会長(主査)を得て、いくつか理事者による財務の改善が行われた。

  予算編成の面からは、2006年度予算策定において、従前、前年度理事者が作成した予算案をほぼ踏襲して常議員会・総会に提案していたことを改め、各項目ごとに収入・支出が見直された。これとの関連で、俗に、3会もの(東京3会主催行事)や4会もの(日弁連と東京3会)の支出について、従前、東弁負担部分を関連委員会の予算から支出していたものを改め、予備費から支出することとし、東弁の委員会の負担を廃した。

  また、前年度において東弁会計規則が改正され、職員退職積立金特別会計を廃止して職員退職金等積立金など特定積立金制度となったことは、会計の簡明化、明瞭化に資するのであるが、若干理解が容易でないため、総会資料等において分かりやすい説明がなされた。

  予算の執行の面からは、支出内容の精査がとくに意識的に行われ、委員会の飲食費、出張旅費、交通費などが、委員会ごとの慣例に基づいて区々になされていることなどが明らかになった。また、会費等の納入督促なども適宜行われ、法律相談納付金の外見上の未納問題も前年度に引き続き理事者の問題意識に上ることとなった。

  弁連の大会に、会長以外に副会長が2名出席していた慣行を改め、副会長を1名とすることで副会長の業務の円滑と経費の節約に努めたことも、金額は小さいが評価される。

  従前行われていたがここしばらく行われていなかった予算管理月報の提出が復活され、経理課から毎月の予算管理月報が提出され予算の執行状況が明瞭になった。

  決算は、3月分の月次監査が終わるのが4月末ころであり、また、年度末に様々な支払いや3会ものの精算が集中することから、現時点ではなかなか事前には把握できないところがある。ただし、来年度予算案策定に向けて、事実上の決算検討が進められている。

  来年度予算案の編成に関しては、収入における発生主義を極力貫くべく、会費等の予算を会員の実数より低く見積もっていたことを廃するなど、後述する公益法人会計の原則により近づくべく努力がなされている。

  新入会員の激増が予想され、かつ、就職する事務所もまた事件もそれにふさわしい状態ではない中で、新入会員の会費および会館建設分担金についての対応が、次回総会でなされる見込みとなっている。

  委員会予算等については、予算要求書と今年度の実績を吟味しつつ、精査して立案されている。

 

(2) 2006年度監事の行ってきた業務

 2006年度監事として、月次の監査を行うとともに、4月から5月、1月から3月の理事者会には原則として出席して、東弁の業務・財務の監査に努めてきた。また、財務委員会および各小委員会にも出席してきた。2006年度決算について監事意見書を作成することが残された課題である。

 

(3) 今後の課題

これまで監事を務めてきて、問題意識として感じていることを以下に述べる。

@ 会収入増加方策

 一般的には、会員増加が見込まれこれに対応して会費収入が増加することから、会の収入は増加することが予定されている。しかしながら、現状の会費は(とくに地方会との比較では高いとは言えないものの)実感から言えば安いというほどではなく、とくに若手会員にとっては、若干の対応がなされる予定ではあるが、会館建設分担金と併せるとかなりの負担感を与える。

 東京では、単一会ではなく3会が存在していることから困難な問題を抱えているが、会費外収入を増加させる方策が引き続き検討されなければならない。

A 大規模支出を必要とする事業への対応

 過年度から進められてきたOA刷新事業は、総会での宣言決議をはじめ、各年度の予算審理などを通じて全会員の意見を集約させながら進められてきている。ただ、予算が単年度主義であることから、各年度に必要となるOA刷新事業の財源をどうするかについては、あらかじめ決定されているわけではない。

 また、多摩会館については、いったんは会館用地を競争入札によって取得することの承諾を総会で得たが落札することが出来ず、現在は、賃借の方向で検討が進められている。賃借としても、当初費用や年間の費用がどの程度になるのか、また、その財源をどうするのか、ということも検討しなければならない。

 さらには、すでに手一杯となっている会議室についても、修習生の増加および研修の増加などから、その手当をどのようにすべきか、財源も含めて検討されなければならない。

 現時点において予想される大規模支出を必要とする事業に限っても、以上のとおり存在するし、また、今後も発生しうる。これらにたいする財源の手当の点からは、1)2006年度から繰越金制度を改めた事業等準備金、2)基本財産会計、3)会館建設会計、が存在しているが、それぞれの性格や使途、積み立て計画などについて、検討される必要がある。

B 法律相談その他市民サービス業務に関連する支出及び収入についての検討

 これらのサービスは、市民にすこしでも身近に法的サービスを提供することを目的として進められてきたものであり、東弁としての基本的業務として位置づけられるものである。

 現在、さまざまなサービスを行っているが、それぞれが設置された時期や経緯が存在していることから、これらに従事する会員への報酬や負担等についてあまり格差があってはならないと考える。また、都市型公設事務所についても、東弁が賃借している物件と所有している物件とで公設事務所の負担に格差があってはならない。

 さらに、これらのサービスは前述のとおり、東弁が行う市民に対する法的サービスという性格のものであるが、財務的に見たときには、東弁の資金と人的・物的資産を用いて行う事業で、かつ、会員全員が等しくその利益を受けるものではないという側面も無視し得ない。とくに、2006年度でいえば新四谷相談センターの開設及び宣伝に特段の費用を要しており、これらの事業におけるコストと収益を意識しておくことが必要である。

 また、これらのサービスにおいて、具体的に業務を進め権利義務の主体となるのは、ここの会員であることから、これらの会員の義務と負担についても、適切なバランスをとることが必要である。会員以外で相談窓口業務等に従事する担当者についても、同様である。

 もちろん、分担金の回収を確実に行うことも適切に行われなければならない。この点では、依頼者から分割で着手金を受ける場合の分担金の支払いと督促について、一定のルールを策定しておくべきである。

C 委員会活動における会負担金

 日弁連あるいは東京3会で主催する企画、行事について、東弁に費用分担が求められることがある。従前はその行事に関連する委員会の予算から支出していたが、これは予算の規範性からいえば問題であり、2006年度は事業予備費から支出している。

 従前の慣行から、日弁連で予定されている事業について東弁の負担部分をあらかじめ委員会の予算に計上する処理もみられたが、2007年度予算からはこの取扱をしないようにしている。これは継続するべきである。

 委員会の委員が委員会の活動をするとき、あるいは、これに関連した活動を行う際の支出基準については、現在統一的な基準がない。昼食や会食の費用について、どのような基準でどのくらいを委員会予算から支出すべきか、旅費・日当などについても、同様に基準は存在しない。一方では、各委員会ごとの歴史的経過や特殊性が存在することから、一律機械的に定めることが困難であることは理解できるが、ある程度の基準が検討されるべきであると考える。

D 財務改革推進体制の構築

 来年度は、上述の課題に加えて、会計独自の課題として公益会計新基準への対応が必要となるし、また、財務委員会からは特別会計の整理等を含めて提言がなされる。しかし、理事者は単年度であることから、なかなか長期的な課題について検討・対応することが難しいし、当該年度に解決しなければならないテーマについては検討が後回しにされがちである。財務委員会の提言も、悪くいえば店晒しにされてきたともいえる。

 担当理事者と財務委員会の委員などを交えたタスクフォースチームが作られるべきである。

 

 

3 東弁常議員会報告

常議員団事務局長 須見健矢

 

(一)常議員団の構成、役割

(1)2006年度常議員団は、下記の13名である(括弧内は修習期)。

 小木和男(28)、斉藤豊(34)、尾林芳匡(42)、相川裕(45)、伊藤和子(46)、関康郎(46)、金久保茂(50)、須見健矢(52)、黒澤圭子(53)、河村文(54)、冨坂幸代(56)、坂根真也(57)、馬場望(58)。

期別構成を見ると、20期台1名、30期台1名、40期台4名、50期台7名である。

 

(2)常議員団での役割分担

 @ 団長 小木和男

   団長は、期成会常議員団を代表する。執行部の一員となる。

 A 副団長

   今期は副団長を置かなかった。

 B 事務局長 須見健矢

事務局長は、主に常議員団内の会議を運営し、期成会執行部との意見調整・連絡等を行い、常議員会報告書を発行する。執行部の一員となる。

 C 事務局次長 冨坂幸代・馬場望

事務局次長は、事務局長を補佐する。事前打ち合わせの会議室の手配、昼食の手配、相互連絡用のメーリングリストの作成・管理等を行う。

 

(3)東弁内常置委員会での常議員の配置

 @ 人事委員会(3名)

    小木和男、斉藤豊、尾林芳匡

 A 入退会審査特別委員会(6名)

    相川裕、伊藤和子、金久保茂、須見健矢、坂根真也、馬場望

 B 人事詮衡委員会(2名)

    関康郎、黒澤圭子

 C 国選推薦停止等不服申立調査特別委員会(2名)

    河村文、冨坂幸代

 D (財)東京弁護士会育英財団評議員(全員)

 E  裁判官情報収集モニター(全員)

 

(4)執行部会、期成会幹事会への出席

   団長及び事務局長は執行部の一員であるから、執行部会へ出席する必要がある。また、常議員団各自は期成会幹事となるので、本来、常議員団全員が幹事会へ出席する必要がある。

   しかし、執行部会、幹事会への出席の十分な確保を得られなかった。前年度の常議員団においては、幹事会出席について当番制を採用したようであるが、本年度は特に採用しなかった。弁護士会、期成会内での実情、議論の内容を把握するためにも、多数の出席が望まれるので、当番制の採用を含め、何らかの手当が必要である。

 

(二)本年度の常議員会の内容

(1)出席状況等

原則として月1回(8月は除く。9月は月2回)、毎月7日前後の午後1時から開催される。

期成会員の出席状況(第11回まで)は、皆勤5名、精勤5名である(前年度は皆勤3、精勤8)。

 

(2)常議員会での主な議題

  第1回(4月7日)議長選任、各種委員の選任

  第2回(5月8日)決算の承認・予算の決議

  第3回(6月6日)@会費外収入確保(破産管財人等)に関する件の改正 A東京三弁護士会法律相談センター開設 B一般国選弁護人契約の申込み取り纏めの承認

  臨時会(6月28日)支援センター関連の会則、会規改正(国選弁護、国選付添人、民事法律扶助)

  第4回(7月6日)法テラス東京に会館3階を使用させる件

  第5回(9月7日)@支援センターと東京地方事務所と東京三会の一般国選弁護人契約締結手続及び国選弁護人候補者指名に関する協定書案 A立川市における新会館建設用地取得の件

  第6回(10月10日)常議員会についての意見交換会

  第7回(11月6日)

  第8回(12月6日)@裁判所の処置請求に対する取扱会規制定AOAシステム開発

  第9回(1月15日)OAシステム開発

  第10回(1月31日)@いわゆる自主事業存続のための規定整備 A弁護士紹介センター設置

  第11回(3月7日)@東京三会法律援助事務センター設置、A弁護士紹介センター設置

 

(3)常議員会での議論状況

主に司法支援センターに関連する議案について、毎回常に特定の常議員(ほぼ5人)から反対意見が唱えられた。時に説得力ある立論が展開されることもあり、それに押され気味であった。また、立川の会館用地取得の件については、会派にかかわらず、賛成、反対双方から活発な議論がされた。そのような中で、団長をはじめ期成会常議員団からも度々発言し、議論を有意義にしたものと考える。

ただ、50期台の常議員の発言はほとんどなかった(期成会員に限らず一般的ではあるが)。これには経験不足もあるが、準備不足、情報収集不足も否めず、積極的な準備が求められる。若手は、素朴な疑問を質問という形でするのがよいかもしれない。本年度、新入会員の宣誓式が復活したが、これは期成会員の質問が契機となっている。

 

(三)事前準備

(1)準備の方法

@    メーリングリストの設置・・・事務局次長が担当。東弁副会長、幹事、期成会三役も加入してもらう。

A    常議員会の議案及び資料が約1週間前に送られてくるので、それを読んで検討。

B    並木副会長から事前に議題についての説明をメールで流してもらう。

C    常議員会当日、会館5階の会議室に11時30分(前年度は11時)に集合して打ち合わせ。昼食をとりながら、並木副会長から議題についてのレクチャーを受け、期成会執行部3役も含め、意見交換する。会議室、弁当の予約は事務局次長が担当。弁当代については、事務局次長が初めに1年分を全員から預かる。

 

(2)留意点・反省点

 @メーリングリストの不具合に注意。

 A 郵送で送られてくる資料は、回にもよるが、たいてい分厚い。理解するのにはある程度時間がかかる。普段から問題意識をもって、東弁総会、会員集会、期成会幹事会等に積極的に参加し、情報収集等を行っておくのが望ましい。

B    メーリングリスト上では連絡だけでなく、議案について活発に議論することが期待されたが、活用できなかった。

メールは便利ではあるが、それだけでなく、重要な議題、対立がある議題については、常議員会当日の打ち合わせ前にも、常議員団で打ち合わせをするなどして、議論を深める必要があるかもしれない。多忙な中、集合するのは困難かもしれないが、会務初心者の若手だけでも集まれればよいのではないか。

C     当日の事前打ち合わせへの出席状況は芳しくなかった。出席するとしないのとでは、議案についての理解が違うので出席は欠かせない。

弁当は、事前に全員分注文するので、欠席する場合は、事前に事務局長宛連絡しないと余ってしまう。この点は確実を期す必要がある。

 

(四)事後の報告

(1)常議員会報告の発行

期の若い順に、当番制で、常議員会報告を作成する。内容としては、当日の議案についての質問・意見の内容に加え、自己の感想などを記載する。東弁会報(LIBRA)よりも詳細で、踏み込んだ内容となり、常議員会での議論状況を伝えるのに有意義なものである(としなければならない。)。これは、常議員団事務局長のチェックを経て、期成会事務局から各会員に配信される。本来、報告書の作成は、常議員会開催翌日中に事務局長宛メール送信し、事務局長が速やかにこれをチェックし、配信されるべきである。

  しかし、担当者による作成が必ずしも速やかになされない場合もあり、また事務局長によるチェックが遅れ、後半の報告が中断されている。この点については、担当者と事務局長の連携がかかせないので、連絡を細かに取るようにするのが望ましい。

今年度の後半部分については、速やかに配信したい。

 

(2)常議員会報告の活用

  当初は、期成会外で自分に投票してくれた方等に対して、関係を保つため、常議員個人あるいは期成会事務局で郵送するという構想もあったが、実現しなかった。この点は検討課題となろう。

 

 

4 日弁連理事会報告

日弁連常務理事 吉羽真治

 

日弁連理事会は毎月2日間連続で開催された。今年度は4月早々から10月発足の日本司法支援センター(法テラス)の制度作り、運営の方法につき多大な時間が割かれて議論がなされた。その他主要な問題につき以下報告する。

 

(1)日本司法支援センター

理事会において特に問題になったのは、地方単位会によっては会員数の問題もあり、法テラスの全部の要請に応じられないこと、法律相談の司法書士との振り分けにつき、140万円の限度額の解釈につき司法書士会と見解の対立があり、未だに解決できないでいること、司法書士会が法律相談員の人数を揃え、万全の態勢をとったのに対し、弁護士会によっては相談員が不足し、法律相談に応じきれない恐れが生じたこと、スタッフ弁護士の養成問題等である。法テラスという全国一律の制度を実施するときに、弁護士過疎・偏在の問題が表面化し、大都市では就職難なのに地方では弁護士が不足して需要に応じられない現象が生じている。これを放置すると、市民の需要に応じるために司法書士の扱える範囲を大幅に拡大するべきだとの世論が澎湃として起こる可能性があり、早急に対処しなければならない問題であると考えられる。

 

(2)上限金利引き下げ問題

サラ金業者が多数の政治献金をしたり、アメリカ系サラ金業者援護のために合衆国政府から直接の横ヤリが入ったとの情報が入り、一時はどうなるか予断を許さない情勢であったが、弁護士による国会請願デモ、全国の被害者が立ち上がったこと等がマスコミで取り上げられ、理事による国会議員への一斉要請行動もあり、利息制限法の金利におさまったが、見直し規定、闇金融が跋扈する恐れ等があり、引き続き目が離せない問題である。

 

(3)ゲートキーパー問題

日弁連は前年度に金融庁に通報(密告)することを許容する態度をとったため、密告制度そのものを否定する闘いは困難を伴ったが、断固たる態度を貫き、執行部と理事が一丸となって国会議員要請行動を繰り返し、他方本人確認義務と記録保存義務は日弁連が会規を制定し、責任をもって履行することを実行したことにより、弁護士には本人確認、記録保存、密告の3義務は法律で課されないことになった。これは大きな勝利ではあるが、他方、弁護士のみならず他士業団体も密告につき同様に扱われていること、法律を改正すれば簡単に上記3義務を課すことができる体裁になっていることを考えると、決して楽観できるものではないことを肝に銘ずべきである。

 

(4)共謀罪

これは悪名高き治安維持法をはるかに凌ぐ悪法であり、理事会で何度も議論し、情勢の検討をし、市民集会ももったが、幸い法案化しなかったので事無きをえた。しかし近々日程にのぼることは必至である。

 

(5)教育基本法「改正」

これについては日弁連の中に賛成意見もあり、重要問題なので急ぐことなく、慎重に審議すべきであるとの決議にとどまったが、実質的に改正に反対する意見書を取りまとめ、内閣総理大臣他に宛てて執行した。今後続々と上程されるであろう個々の教育関連法案につき、憲法の原理に照らして反対して行かなければならない。

 

(6)少年法「改正」

国会に法案が上程されており、現時点での運動として、単位会会長が新聞に改正反対の投稿をして掲載してもらうこと、有力議員、法務委員にその議員の地盤の弁護士会が要請・説得することが理事会において繰り返し要請された。

 

(7)国民投票法案

国会に上程されているが、日弁連は問題点を指摘するとともに、広く国民の意見を聞き、慎重に審議すべき旨の意見書を出した。

 

(8)取調べの可視化問題

すでに東京地検で試行として取調べの録画が複数件なされているというが、弁護人から情報が入ってきていない。被疑者ノートの活用等により、全件取調べの可視化を強力に進める必要がある。

 

(9)犯罪被害者の刑事手続き参加問題

刑訴法の一部を改正する法律案が閣議決定され、国会に上程されている。刑事裁判の本質にかかわることであり、慎重審議を求める会長談話を出したが、単位会で反対決議・声明を続々と出す必要がある。

 

10)弁護士業務総合推進センター

現・新60期の就職問題、企業、自治体等への就職の可能性を探る等意欲的に活動をしているが、成果が上がっているとはいい難い。61期の就職問題も始まっており、長期的展望に立った抜本的解決策の策定が喫緊の課題である。

 

 

5 関弁連報告

関弁連常務理事 金井克仁

 

(一)2006年度の活動報告

 (1)関弁連大会・シンポジウム(9月22日)

@ シンポジウム「大規模災害に備える−援護を必要とするひとのために何をすべきか−」

参加者424人(一般を含む)

A 定期大会

参加者606人

この大会・シンポジウムは46年ぶりに東京で開催され、東弁が当番会となったもの。

 

(2)日本司法支援センター(法テラス)の誕生を受けての事前・事後における実務等のサポート

 

(二)2007年度の課題

 会員数の飛躍的増加により従前日弁連が行ってきた研修等が弁護士会連合会に分担される等、弁護士会連合会の位置づけが変化しつつあり、関弁連のあり方が重要になってきている。


 

第5 会計報告

1 一般会計 2006年度決算書および2007年度予算案

省略

 

2 特別会計決算報告

省略

 3 選挙特別会計

 省略

 

第6 次年度期成会活動方針案

代表幹事 中村雅人

 

憲法と人権をまもり、新しい時代の司法を確実に担うために

 

憲法改正国民投票法案の成否は緊迫している。引き続く憲法改正への動きも予断を許さない。このように憲法問題が逼迫する中、弁護士団体が対応に遅れをとってはいけない。期成会では、前年度、東弁に憲法改正問題対策本部を立ち上げることを提案し、各会派に働きかけた。早期に実現し、適切な運動を構築していかなければならない。そのために、「期成会憲法委員会」を中心に、工夫をこらした企画を立て、弁護士会全体の活動をリードしていこうではありませんか。

人権諸課題への対応もますます重要性を増している。各種委員会への参加と積極的な活動がのぞまれる。

司法制度改革の目玉の一つ、法テラスが昨年スタートした。しかし、新制度を軌道にのせるにはこの1年を正念場として、知恵と力を結集しなければならない。

期成会では、いくつかの事務所でスタッフ弁護士の養成を手がけており、第1期3名を送り出した。今後も連続して受入事務所を増やし、多数のスタッフ弁護士を養成していかなければならない。また、現場で手探りで奮闘しているスタッフ弁護士を支援することも重要だ。

新旧60期生約2600人が誕生するという法曹大増員時代を迎え、弁護実務修習の受入事務所の確保と就職受入が直近の課題となった。この秋には彼らが法曹として巣立つ。活動の場の確保は、歴史上経験のない規模で要求される。同じことは、また翌年、翌々年、、、と続く。就職問題だけでなく、研修の充実、負担の軽減など、若い弁護士が活き活きと活動できる環境の整備についても、法曹人口増大への舵切りを決断した時代の弁護士として、法曹の質の検証を行いつつ責任ある対応をする必要がある。

人口増で質が低下してはいけない。期成会では若手弁護士の育成をめざし「OJT委員会」も活発に活動している。しかし、さらなる研修の機会を弁護士会だけにまかせず、多種多様な人材をかかえる期成会としてもどんどん企画する必要がある。

裁判員制度も2009年のスタートを控え、準備すべきこと、克服すべき問題が山積している。併行して刑事司法の改革も進んでいる。犯罪被害者の訴訟関与案なども浮上する中、現場の一翼を担う弁護士の研鑽、制度の点検、問題提起、さらなる改善、など目が離せない。先ずは、現時点で会内議論を深める必要があるが、裁判員裁判に対応できる弁護士の養成・確保などについても取り組まなければならない。

非常勤裁判官も全国120人体制となり、継続した担い手の確保が必要である。これをやりきっていくことで通常任官者の増加もはかられていくはずである。「期成会弁護士任官推進本部」の地道な活動は本年度も引き続き工夫をこらして進めなければならない。

東弁選挙のあり方が、現状に合わなくなっている。前年度内改革は実現せず、今年度に規則改正をもちこすことになった。今年こそ実現したい。

このように、弁護士も、従来の発想でいてはこれらの改革課題はこなせない。

他方、司法制度改革に根本的に反対する会員もいる。

新年度も、日弁連で議論の結果推進することとなったこれら改革課題の担い手の確保こそが、今次改革のイニシアチブを弁護士がとることになると考え、前年度「法曹人口・法曹養成問題委員会」や「中長期人事委員会」を立ち上げたが、引き続き各種担い手確保等に力を注ぐつもりである。

期成会も創立(1959(昭和34)年11月)から48年を数え、創立時には想定していなかった上記のような諸改革が進んでいる中で、その存在意義、結集の旗印を見直す必要が出てきた。50周年を記念してこれらの問題に結論を出したい。そのために、昨年、「50周年記念事業準備会」を設置したが、本年度は議論を一層深めて行きたい。

そして、2009年、裁判員制度のスタートにあわせて、期成会も新たなスタートを切りたい。

 

第7 次年度予算案

事務局長 濱田広道

 

省略


以下省略

幹事候補者名簿

執行部名簿

期成会2007年度日程(ホームページ「諸日程」をご参照下さい。)